畳に使われているい草ってどんな効果があるの?湿度の対策からダニアースの注意点とは

普段何気なく使っている畳ですが、季節によって様変わりする住環境に柔軟に対応する能力が科学的な目線から調べると、いろいろな効果があることがわかっています。

そこで今回は、畳に使われているい草の効果から湿度の対策まで、そしてダニアースを使うときの注意点まで解説させていただきます。

 

これを知れば張り替えしたくなる?畳のい草の効果がわかる5つポイント!

畳の表面を覆っている畳表(タタミオモテ)は、一般的に天然のい草で作られています。昔から馴染みがあるのに畳のい草の特徴や効果については意外にも知られていません。

張り替えしたばかりの畳の部屋に入ると、思わず深呼吸したくなるほど魅力的なのはなぜでしょう?6つのポイントを上げてみました。

1:湿度を調整する

最近の住宅は昔に比べて気密性が向上し、従来では起こりにくかった湿度の問題が発生しています。い草はお部屋の湿度が高い時には水分を吸収し、乾燥してくると水分を放出します。

気密性の高い住宅では、い草は年間を通じてお部屋を快適にする人に優しい素材です。

2:空気をキレイにする

あなたが暮らしている環境には、いろいろな有害物質が存在します。い草には空気中の二酸化窒素やホルムアルデヒドを吸収して空気をキレイにする効果があります。

また、汗や体のにおいの元となるアンモニアや酢酸の匂いを消臭する効果もあります。

3:リラックス効果がある

い草に含まれるフィトンチッドは樹木が放出成分で、森林浴の香りの成分です。これには癒しや安らぎを与える効果があり、畳の部屋でも同じ効果が得られます。

和室がない場合は置き畳(天然の畳表を使っているもの)をリビングに敷いてみたり、畳表を織る前のい草の原草を花瓶にさして玄関やリビングに置くだけでも効果があります。

畳店に行けばわけてもらえるところが多いので、一度電話してください。

4:断熱性・保温性がある

い草の断面はスポンジ状になっていて、空気を多く含んでいます。空気は熱を伝えにくい性質があり、暑い日にはい草が含む空気によって暑さを遮断。寒い日は外の冷たい空気を遮ってくれます。

5:抗菌性がある

食中毒の原因となる大腸菌類や水虫の原因となる白癬菌(ハクセンキン)、足のにおいの原因となる微生物などに効果があるという研究結果が出ています。

草履から靴への変化やペットの室内飼育への変化など、室内の細菌増加となるなか畳があればこれらの細菌に効果を発揮してくれます。

 

畳のい草は天然の除湿・加湿器!お家のバロメーター的役割を知れば湿度対策もバッチシ!?

上記の5つのポイントでも書かせていただきましたが、い草は湿気を吸ったり吐いたりしながら調湿してくれますが、限界があるのも事実です。

畳のい草は日本の風土からすると快適な反面、湿度が高い状態が続くとどんどん湿気を吸い込んでしまいます。張り替えした新しい畳のい草ほど吸い込む能力は高く、長年使っている畳のい草はこの能力が低下してきます。

畳にカビやダニが発生するのは、い草が水分を吸い込む力が飽和状態になった時で、畳のい草が原因でなることは少ないです。

ですので、畳にカビやダニが発生した場合は根本的な原因を突き止めることが必要となります。代表的な例を上げておきますので参考にしてください。

日中留守がちで締め切っていることが多い

床下に湿気が溜まっている

畳の上に敷物を敷いている

加湿器で異常な湿度にしている

和室で梅雨時期に部屋ぼしすることが多い

風通しや日当たりが悪い

これらの対策としては、湿度を60%以内にすることです。エアコンのドライ機能や扇風機を使って湿度や温度を調節することが重要となります。湿度計をお部屋に設置すればお部屋の状態が簡単にわかりますのでお勧めします。

 

 

畳のい草にダニが出た!万が一の時に役立つダニアースの使い方と注意点とは

朝起きたら腕や足に刺された痕が、、、思わずダニに刺されたと疑ってしまいます。これが和室となると畳を疑うしかありません。

ドラックストアに行って畳に針を刺して注入駆除することができるダニアースを購入。浸透効果が高く即効性も発揮し、使用後の臭いも少なく低刺激となっているので不快感がありません。1缶で12畳分使うことができます。

ところが次の日起きてみると、また刺された痕を発見。こんな経験をされた方はいらっしゃいますか?

実はこれ畳が原因ではなく寝具によるものなんです。ダニは高温多湿を好むので、汗や皮脂など餌も豊富な寝具は家の中で最もダニが繁殖しやすい場所となっています。

畳にダニアースをやっても効果がない場合は寝具をクリーニングに出してみてはいかがでしょうか。

またダニは畳のい草に生息するのではなく、畳の土台となる畳床(タタミドコ)にいます。昔はワラを使った畳床が主流でしたが、近年はワラを一切使用していない畳床が使われているためにダニが生息しにくくなっています。

55mm〜60mmも畳

万が一畳にダニアースを使用する場合は、畳の厚さに注意が必要です。今の畳の厚さは15mmという薄さのもあるので針が貫通してしまいます。床暖房がある場合は機材を痛めてしまうこともあるのでさらに注意が必要です。

 

まとめ

畳は汚れたり傷ついたから張り替えるのではなく、畳の機能を十分に活用するためにメンテナンスをすることがおわかりいただけましたでしょうか?

畳のい草の効果を十分に感じていただけましたら幸いです。ダニやカビでお困りごとがございましたらお近くの畳店までご相談ください。