奇跡の出会いがアロマにも優るい草の匂いを決定づけた?畳に使われているのい草の種類とは

家の中で匂いを放っているものといえばアロマや芳香剤などが思いつきますが、忘れてはならないのが畳に使われているい草です。

い草の匂いはどこか懐かしい匂いだったりして、まるで森林浴している感じになります。そこで今回はい草の匂いと種類についてまとめてみました。

ある事件がい草の匂いを変化させた?い草の匂いの正体とは

天然の素材であるい草の何とも言えない匂いの成分は4種類あります。フィトンチッドは樹木から放たれる森林の匂いの源であり、殺菌作用もある成分で約20%を占めてします。

次がジヒドロアクチニジオリドで約10%を占めていて、紅茶や緑茶のも含まれている成分です。αシペロンはリラクゼーションに役立つ成分で漢方薬などに利用されることもあります。

最後はバニリンです。このバニリンは香水にも多く使われてあり、リラックス効果の高い成分としてアロマやお菓子の香料にも使われています。

い草の匂いはリラックス効果の塊ですが、元々は今のような匂いではなかったみたいです。い草を収穫したら乾燥させるのですが、その前に大事な作業があります。それは泥染といって粘土質の土を溶かした水の中に入れてから乾燥させます。

[粘土質井草を溶かした水]

[その中にい草を漬けます]

こうしてい草に土を付着させることによって茎を保護し色素を守ってくれる他にあの独特な匂いをもたらしてくれます。

しかし一説によると昔は泥染していなく、匂いも違っていました。ところがある日洪水でい草が水と土に浸かってしまい、慌てて乾燥してみるととてもいい具合に仕上がり、匂いも格段と良くなったことから広まったと言われています。

[い草の乾燥風景]

お米にも負けていないい草の種類!熊本県の畳表の評価とは

お米にはコシヒカリやひとめぼれ、あきたこまちなど色々な種類がありますが、畳のい草にも種類があり、それぞれ特徴が違ってきます。今回は圧倒的なシェアを誇る熊本県のい草の種類をご紹介します。

在来種

い草の根元が太くて丸く、織り込んでいくと厚手でしっかりとした畳み表になります。日焼けしても表面がキレイで丈夫なのが特徴です。

ひのみどり

ひのみどりは熊本県を代表する種類で、長く愛されてきました。特徴としてい草が細く穂先が枯れたようにならないために色合いは在来種と比べて青々としています。しかし表面の擦り切れや日焼けなど在来種と比べると弱い傾向があります。

しかし高品質なひのみどりのい草は、熊本の高級ブランドとして「ひのさらさ」「ひのさくら」「ひのさやか」として呼ばれ畳表として高い評価を受けています。

夕凪

夕凪は沖縄のい草とかけ合わせていて、プロ好みの畳表となっています。草自体が太くて固く丈夫なのが特徴です。日焼けしてもキレイで表面が丈夫な点は在来種を上回ります。

ひのはるか

ひのはるかは平成19年に登録された新しい種類です。い草が長くキレイで柔らかい感触を持っています。根元が白くなりにくいので均一的な色合いが特徴です。

涼風

平成24年にひのみどりをベースとした種類です。涼風の苗は枯死率が低く他の種類と比べて栽培しやすいために収穫量も向上しています。

ひのみどりと比べても茎が太く枯れにくいのが特徴です。

まとめ

畳のい草の匂いは泥染することにより格段と向上していきます。い草の種類は5種類ありますが、同じ種類でも農家さんの栽培方法などのノウハウがものをいいます。

畳替えの時はい草の知識を持っている畳店に依頼するのがいいかもしれません。