ダイケンもセキスイも見習った国産い草を使った柄畳の最高峰市松を所沢で施工しました
ダイケンから出ている和紙を樹脂コーティングした市松も、セキスイから出ているポリプロピレンと無機材料を配合した市松も、国産のい草に追いつこうと努力した賜物です。
畳の表面に柄があるのを柄表(がらおもて)と言いますが、今までいろいろな模様が出てきては消えそれの繰り返しが常識でした。しかし今回所沢で施工した市松は定番中の定番で、昔から何十年も愛され続けている柄表です。
そこで今回は国産い草を使った市松の施工事例を紹介いたします。
色々なところで使われている市松の意味や由来を知れば鼻高々間違いなし
市松は碁盤目状の格子の目を色違いに並べた模様で、石畳のような柄だったために「石畳」と呼ばれていました。
ところが江戸時代中期に「佐野川市松」という歌舞伎役者が舞台でこの模様の袴を着たところ女性の間で大流行し、それから「市松」と呼ばれるようになったみたいです。
市松の模様は柄が途切れることなく続いていくことから「繁栄」の意味が込められていて、「子孫繁栄」や「事業拡大」など縁起の良い模様として昔から多くの人に愛されてきました。
東京オリンピックのエンブレムに採用されたのも市松の模様で、同じ四角形の組み合わせではなく3つの四角形が組み合わせてある市松で、文化や国が関わり広がっていく「多様性」を表現しているみたいです。
国産い草の市松は熊本が最後の砦?需要と供給のバランスとは
昔は畳といえば広島県の備後(びんご)地方がい草の生産地として有名でしたが、年々減少してきて今ではわずかな流通量となってしまいました。
また岡山県(福山地域含む)もい草生産地では有名どころでしたが、備後同様に生産が減少し今では生産されていないと聞いています。
そんな中備後や岡山に代わって台頭してきたのが熊本県八代でした。もともと八代の土壌はい草にとても適していて気候風土や栽培に適した土地柄も相まって、今では9割以上が熊本の畳となりました。
工業製品とは違い自然を相手にしているだけに、需要が増えたとしてもすぐに供給が追いつかないので、本物の国産畳を希望の時は時間に余裕を持ってご注文ください。
所沢市で柄表の定番市松を施工した事例をご紹介いたします
市松の畳をよく見ると、2色になっていたりするので脱色や着色していないか不安になる方もいらしゃると思います。
市松はい草の「穂先の青さ」と「根元の白さ」を利用して柄を出しています。通常の畳は一本一本を交互交差させて織り込むのですが、市松はある区間の幅を交差させずに織り込むたため二色の格子状の模様が出来上がります。
またい草の真ん中付近は青さと白さの中間色が混じるために、畳の中心に向かって徐々に柄が薄れていきます。
このぼかしが最高に上品に仕上がる秘密で、自然の風合いを生かしたい草にしかできない市松の柄模様となります。
まとめ
工業製品の市松では表現できないぼかしのテクニックは、い草でないとできないことがお分かりいただけましたでしょうか。
国産の市松を使いたい場合は産地から吟味して取り寄せることができますので、ご相談いただければ幸いです。