畳を張替えする時におしゃれに決めるにはへりの柄が重要?知ってて損はないへりを踏まない理由とは
普段は畳にどんなへりが付いているのか思い出せない方も多いと思いますが、しかし表替えや裏返しなどの畳工事をする時に意外と悩むのが畳のへり選びです。
昔は茶、黒、紺などの無地系が多かったですが、今ではおしゃれな柄や色があり2000種類を超えるまでになっています。
そして一度は聞いたことがあると思いますが、畳のへりを踏まないようにするのには何か理由があるのでしょうか。
そこで今回は畳の脇役でもあるへりについてまとめてみました。
畳のへりを踏まないのは大人としてのマナー?昔から言われている5つの理由とは
畳のへりと聞いてもイマイチなんのことかわからない方も増えてきました。へりは畳の長手方向に付いている布製の部分です。正式には畳縁(たたみべり)と呼びます。
昔はよく「畳のへりは踏まないように」と教えられたものでしたが、それには5つの理由がありました。
へりが傷んでしまうため
いまでこそへりは化学繊維になったので丈夫になりましたが、昔は麻や綿などの繊細な素材を使っていたため、色褪せや耐久性が低かったみたいです。畳を長持ちさせるために傷みやすいへりを踏まないように気を付ける必要がありました。
上座と下座を分けるため
日本には上座と下座があり、和室では奥側が上座で手前側が下座となっています。畳のへりが両者の境界線を表しています。そのため境界線を踏んでしまうと上座にいる人への礼を欠き、格式に反しているとみなせれていました。
へりに家紋を入れていたため
へりには紋縁(もんべり)と呼ばれている家紋をあしらったものがあり、武士の屋敷などで使われていました。ですので家紋を踏むと侮辱と見なされ無礼にあたり、そも名残が今も受け継がれています。
身を守るため
武士の時代、床下に潜む敵からへりとへりの間に刀などを差し込まれ攻撃されることがありました。そのためへりを踏まない方が安全でした。また、自分の気配を分からせないようにするために座るときもへりを避けて座ることにより身を守っていました。
躓かないようにするため
畳のへりとへりの接合部分は時間が経つと段差ができてしまう場合もあります。そんな時お盆を持ってお茶などを運ぶと足元が見えづらく躓いてしまいます。しかしへりを踏まないように歩く感覚を身につけておけば躓く心配はありません。マナーだけではなく危険を避ける理由もあったみたいです。
畳のへりをおしゃれに楽しむなら柄と和洋のバランスが決めて!
畳のへりは装飾性やデザイン性を高める他、耐久性など機能保持の役割を果たしている大切な部分です。畳らしさを引き立たせてくれるのは無地のへりです。畳の表面を覆っている畳表の素朴な美しさを引き立たせたり、空間の広がりを引き締め、座敷としての格式を高める効果があります。
無地だと少しさみしい気がする方は柄のへりがおすすめです。昔からある和柄や最近流行りの洋風柄、そしてキャラクターが入った柄まであるので、お部屋の雰囲気やインテリアにも合わせやすいです。
大昔はへりの色や柄で身分を表していましたが、今では特別な場所以外自由に選ぶことができます。部屋の壁紙や襖の色に合わせると一体感が出ます。特に障子や襖、壁紙にデザインを取り入れている場合は、そのデザインを活かせるようにシンプルなへりにするといいでしょう。
色の濃いへりはお部屋が引き締まった印象になり、畳をキレイに見せてくれます。逆に淡い色はお部屋が優しい感じになり、洋間との相性もバッチリです。
まとめ
畳のへりを踏まないようにしてきたのは昔からの名残りが受け継がれています。畳店には20~30種類のへりが用意されていますが、お好みのへりがない場合は取り寄せもできるので畳店に遠慮なくお申し付けください。