畳を表替えするならい草以外にどんな種類がある?色や比較からみる国産の現状と和紙の役目
畳の表替えの楽しみのひとつに、どのような畳表(たたみおもて)をつけるのかだと思います。今までい草の畳表しか使ってこなかったから今度は和紙の畳表にしてみようとか、やっぱり自然素材のい草が良いとか、考え方は人それそれです。
見た目や色、雰囲気など比較する要素はたくさんありますが、あまりの種類の多さに選ぶのも迷ってしまいます。
そこで今回は畳を表替えする種類から、国産の現状についてまとめてみました。
い草農家さんの現状と和紙の畳が誕生した背景と人気の関係
国産い草農家さんは高齢化や後継者問題を抱えており、昭和のピーク時に9,370haあったい草の栽培面積は令和3年には380.4haにまで急速に落ち込んでいます。
また、平成元年に5,500戸あったい草農家さんも令和3年には319戸にまで激減しているほか、後継者のいる農家さんは62人となっています。
そんな国産い草の供給量が減少していく中で、工業的に安定した畳の生産を目指し、開発をスタートさせたのが和紙の畳でした。
機械すきした和紙をこより状に加工して樹脂コーティングすることで、耐水や耐汚染性を向上しています。畳全体のシェアとしても3割までに成長してきましたが、やはりい草の畳は根強い人気があるようです。
しかし今後の供給量次第では和紙の畳が逆転する日もそう遠くないのかもしれません。
和紙の畳で表替えするなら思いっきり原色系!?人気の色とは
和紙の畳の特徴として、色々な織り方やカラーバリエーションの豊富さと変色しにくいことが人気を集めています。
カラーも黒や紺などの原色系から淡い色まで取り揃えていて、ヘリなし畳として使われることも多くなっています。原色系でインパクトを与える方法が人気かと思いきや、優しい淡い色が人気で、灰桜色や白茶色、そして若草色などが上位を占めています。
やはり優しい色の方がお部屋のインテリアに合わせやすいのと、これらの色はい草が日焼けをする時に見せる色味に近いことが関係しているのかもしれません。
畳の表替えでい草と和紙で迷った時はどうすればいい?比較の仕方が勝負の決め手!
一般的にい草の畳よりも和紙の方が価格が割高だという声をお聞きします。これにはカラクリがあって、和紙の畳を勧めたい時に普及品クラスのい草と比較させられるからです。
和紙の畳はい草でいえば中級品以上の代物です。それを普及品クラスと比較されてはい草には勝ち目がありません。畳の表替えでい草と和紙で迷った時は、必ず同じランク同士で比較検討してください。
そのためには畳店が中級品以上の畳を取り扱っていることが絶対条件で、価格表にもしっかりと明記されていることが重要となります。
まとめ
表替えでい草と和紙で迷った時は、ぜひ同じクラスで比較してください。和紙には和紙の素晴らしさがありますし、きっとい草の新しい魅力にもハマるかもしれません。