畳の原料がわかればあなたに合った素材が見つかるはず!?い草と並ぶ和紙や樹脂の種類とは

一口に畳といっても原料などによってバリエーションは豊富です。洋風化が進んでいる昨今でも、落ち着ける場所として一間は畳の部屋が欲しいと考える人も少なくないでしょう。

昔は原料が限られていたので、ランクを選ぶしか方法はありませんでしたが、今では原料の種類も増えて天然素材のい草をはじめ、和紙や樹脂などの原料もあります。

畳のパーツは畳の土台である畳床(たたみどこ)と、その表面を覆っている畳表(たたみおもて)そして長手方向についている畳縁(たたみべり)で構成されていて、それぞれに原料の違いがあります。

そこで今回は畳の原料についてまとめてみました。

 

見えないからこそこだわりを!縁の下の力持ち畳床の原料とは

普段はなかなか見ることができない重要な土台であり、機能性や性能を決定づけるポイントとなるのが畳床です。

畳床の原料は大きく分けると稲わらを原料にしたものと、木質チップが原料のもの、そして木質チップ+ポリスチレンフォームを原料とした3つに分けられます。

稲わらは何層にも積み重ねて圧縮しているために、耐久性・調湿作用・断熱性・保温性に優れていて足触りがソフトです。しかし近年の機密性の高い住空間ではダニやカビなどが生じる場合があります。

木質チップは再生資源となった木材を繊維化してボードにしたものです。耐久性や調湿性などは稲わらには劣るものの大量生産が可能なため、品質にバラツキがなく同一商品を提供できます。

木質チップ+ポリスチレンフォームは木質ボードと発泡樹脂系のポリスチレンフォームを重ねた畳床です。断熱性に優れていて軽いのが特徴です。しかし踏んだ感じが硬いのと、耐久性と調湿作用が劣りポリスチレンフォームのリサイクルが課題となります。

それぞれメリットとデメリットがありますが、畳床は頻繁に取り替えることがないパーツなので、ご自身に合った原料をお選びください。

チョイスひとつで様変わり!?畳の看板役者である畳表の原料とは

畳表の原料といってまずはじめに思い出すのがい草ではないでしょうか。収穫したい草は干したものを織って畳表へとなっていきますが、編み込んでいく糸の原料にも差があります。綿・麻・綿+麻・麻+麻など順番にランクが上がっていき、耐久性にも関わってきます。い草には調湿作用や抗菌作用、空気浄化などの天然素材ならではの効果があるのが特徴です。

そのほかに最近では、和紙や樹脂などさまざまな原料で多様化する住環境に対応したりしていますが、和紙の畳表は機械すきの和紙をこより状に加工して樹脂でコーティングしています。

樹脂の畳表は耐久性に優れているポリプリピレンと無機材料である吸湿性炭酸カルシウムを配合しています。両方の畳表は色が変わりにくく、水や汚れに強いのが特徴です。また、カラーや編み方などが豊富でヘリなし畳などに使われることが多くなっています。

耐久性はい草の普及品より強い感じですが、い草の中級品や高級品と比べると劣る傾向があるほか、あまりにも均一すぎて自然の風合いに欠けることは否めません。

洋風から純和風まで豊富にあるのは原料の違いにあった!?名脇役の畳縁とは

畳縁とは畳の長手方向に付けられている布のことで、傷みやすい畳の角の保護や畳を敷き詰めた時にできやすい隙間をなくす役割もあります。

大昔は模様や色によって身分を表すこともありましたが、今では好みに応じてお選びいただけます。原料も麻糸や綿糸をロウ引きしてブラシで磨き上げた黒や茶色が使われたいましたが、現在ではポリエチレン・ポリプロピレン・ポリエステルなどの化学繊維で織られたものが主流となり色や柄も豊富で、これが畳縁なの?という斬新なデザインも多数あります。

そして軽くて丈夫なことから、ハンドメイドのバックや財布などの小物の原料として畳縁が使われています。

まとめ

畳は畳床と畳表、そして畳縁と3つのパーツから成り立っていて、それぞれ使われたいる原料の種類は違ってきます。

ご自身の好みに合わせてパーツを組み合わせてオリジナリティーを出してみるのもいいかもしれません。