琉球の畳と普通の畳の違いってなに?高級寿司屋並みの値段と和紙が生まれた理由とは

断面が近年では和紙や樹脂製の畳に注目度が高まっていますが、せっかく作った和室ですから天然の素材で畳を敷きたいというニーズも変わりなくあります。

新築やリノベーション、ライフスタイルの変化などで和室を設けたいと思っている方は一度は琉球という言葉を耳にしたことがあると思いますが、フローリングや洋間と相性が良いのは普通の畳と比較しても気になるところです。

そこで今回は琉球の特徴や値段についてまとめてみました。

普通の畳と琉球の畳は何が違うの?ヘリなし畳が琉球と言われる訳とは

ヘリなし畳の人気のせいでしょうか?琉球の問い合わせが年々多くなってきています。しかしこの琉球は厳密に言うとヘリなし畳のことではなく、あるひとつの畳の商品名となります。

違いとして琉球はカヤツリグサ科に属する冬や夏に枯れることがなく多年にわたって生育する草で七島イ(シチトウイ)が原料となります。普通の畳に使用されるい草の断面が丸いのに対して七島イの断面は三角形をしています。

琉球は調湿性や消臭性の他に耐久性が高く火気にも強いことから、昔は柔道の畳や使用頻度が高い部屋に使われていることが多くヘリなし畳にしていたことから、今ではヘリなし畳のことを琉球と呼ぶようになったのかもしれません。

もう琉球風なんて言わせない!?和紙を原料にした畳事情とは

琉球と呼べるのは七島イを使った畳だけですが、琉球の優しい表情や七島イの自然な織り目や質感を表現した「ちゅら」という和紙の畳もあります。

和紙の畳とは和紙をこよりのように巻き、い草のように細くしたものを丁寧に編み込んで作られた畳です。七島イは天然素材独特の凹凸やクッション性がありますが、和紙のちゅらは異なり表面を樹脂コーティングしているので滑らかです。通気性が良く撥水性の高さと日焼けしにくいことが魅力のひとつです。

色は銀白色と黄金色の二種類で、い草や七島イではまかなえない部分をカバーしています。

最後のお知らせになるかもしれない?絶滅危惧種琉球の今と未来と値段

江戸時代初期に大分の商人が琉球から七島イを持ち帰り1660年に栽培が始まったといわれています。しかし密集して育つた性質のために植え付けや刈り取りは機械化が難しく、手作業が基本となっています。

収穫時には2m近くにまで成長する七島イは断面が三角形でそのままでは織ることができないので、縦に裂く作業も必要になってきます。裂いた後はじっくりと乾燥させ一本一本選別していきますが、畳を織る作業が複雑なために一日に2枚程度が限界です。

最盛期には年間500万枚も生産されていましてが、現在では7軒ほどの農家さんで2000枚前後まで激減しています。

畳に限らずまた日本から本物が消えていくことは悲しい限りです。今注文してもすぐには仕入れることができないために、仕入れ時の値段となるので時価ということになります。ご検討の際は時間に余裕を持ってご注文ください。

 

まとめ

琉球とは七島イを使った畳だけが名乗れることがお分かりいただけましたでしょうか。琉球の畳は日本建築はもちろんのこと、モダンな建物にもすんなりと馴染むことができます。

施工には高い技術が必要なためにどこの畳店でも作れるわけではありませんが、他とは違った雰囲気を表現したい時には琉球一択となると思います。