表替えした時に拭き掃除を言われたら畳がまだ未完成?使い始めに畳がまだらに見れる謎とは

前々から畳の表替えをしなくちゃと思いながらも、忙しかったりタイミングが合わず延び延びになってしまうケースはよくあります。

やっと表替えが完了して畳の青々した色をみると、忘れかけていた青さにびっくりして思わず深呼吸したくなります。

せっかくだから使い始めようとすると、畳がまだらに見えたのと同時に畳店に拭き掃除を言われたことを思い出し、訳もわからずに掃除をした経験はないでしょうか?

そこで今回は畳の使い始めの拭き掃除についてまとめてみました。

畳は使い始めてから何年で表替えするのがベスト?今さら聞けない張替えのまとめ

まず初めに畳は三つの素材から成り立っていて、畳の土台部分にあたる畳床(タタミドコ)とそれを覆うように張り付けられている畳表(タタミオモテ)そして畳の長手方向に付いている布製の畳縁(タタミベリ)で構成されています。

張替えの種類は新畳・裏返し・表替えと三種類あり、新畳は畳床、畳表、畳縁が全て新しくなり、使い方によって新畳にしなければいけない年数は違ってきますが、概ね20年〜30年ぐらいは大丈夫です。家と共に保つケースもあるので、すぐに新畳を勧めてくる畳店には注意が必要です。

裏返しはいったん畳床から畳表を取り外し、日焼けしている面と日焼けしていない面を逆にして畳床に張り付けていきます。この時に畳縁も新しくなり、3年〜5年がベストとされています。

最後に表替えですが、畳床はそのままに畳表と畳縁だけが新しくなる一番メジャーな張替え方法です。どのような品質の畳表をつけるかによって張替え時期は異なりますが、使い始めてから10年前後が最適です。

パターンとしては表替え→裏返し→表替え→裏返しを交互にしていくか、10年ごとに表替えをしていくパターンが多いようです。その中で畳床がフカフカしてきたりデコボコした時に新畳となります。

新しい畳がまだらに見えるのはどうしてなの?使い始めに知っておくべきこととは

新しい畳がまだらに見えたら不安に思うのは当然のことで、理由として考えられるのは二つあります。まず一つ目として品質に問題があることです。畳に使われているい草は農作物なので、150cm以上育つものから100cmに満たないものまであります。

い草の色が安定しているのは中心部分ですので、育ちの良い長いい草を使えば畳の幅寸法に切った時にい草のいいところだけを使えます。

逆に短いい草を使うと畳の幅は88cm前後なので、穂先や根っこ部分の悪い草が混じりまだらな色に見えてしまう訳です。

もう一つの理由として染土(センド)が考えられます。染土とはい草を収穫した直後に粘土質の土を溶かした水に浸します。

この作業は茎を保護したり変色防止など、均一の仕上がりにするためには欠かすことのできない工程となっています。畳の独特な匂いもこの染土の役割のおかげです。

そしてこの後に乾燥させるので、い草の一本一本に乾いた土がついていて、畳店が担いだり、触ったりしたところの染土が採れてまだらな色に見えてしまいます。

使い始めに拭き掃除をしてくださいと言われたら要注意!畳が未完成の可能性大!?

先ほどご説明した通りに染土による泥染は畳にとっては欠かすことのできない作業です。しかしそれがそのまま納品されてしまうのはいかがなものかと思います。

納品された畳に染土が付いていると畳の上を歩きながら作業するわけですから、動線となる廊下や階段は染土による足跡がついてしまいます。

ましてや新しく表替えをしたのに最後の仕上げをお客様にやっていただくのは考えものです。納品後に使い始めには拭き掃除をしてくださいと言われた場合は、染土が残っている可能性が高いです。

畳店によってどこまでが完成品なのか色々な考えもあると思いますが、私は産地で染土を落とすことはもちろんのこと、特殊な方法によるクリーニングをしないと出荷に許可は出せません。そしてお客様からお預かりした畳は工場を出るときに再度クリーニングをしてから配送に向かいます。そして納品後に念のために乾拭きをして帰るので、使い始めに掃除をしていただく必要はありませんのでご安心ください。

 

まとめ

表替えした畳がまだらに見えるのは品質の違いだったり、染土の残りが原因です。畳は新しくなっても染土で家中を汚されてしまってはたまったもんじゃありません。

畳店にご注文の際には、そのようなことも聞いてみるといいかもしれません。