畳とフローリングどっちがお得!?値段と歴史から見る日本人のライフスタイルとDNA

目次

フローリングのメリット・デメリット

畳のメリット・デメリット

いくらかかる?畳とフローリングの維持費

日本だけが独自の進化をしていった!床材畳と板の間の歴史

まとめ

日本は世界中を見ても珍しく、畳にするか?フローリングにするか?選べますよね。日本人にとってどちらがライフスタイルに合っているのでしょうか。値段と歴史から紐解いてみたいと思います。
 

フローリングのメリット・デメリット

 
 
フローリングの最大のメリットは、摩擦にも強く耐用年数が長いため、畳と違って定期的に張り替える必要がありません。
また、飲み物や食べこぼしなどで床を汚してしまった場合も、表面が硬く平らなため掃除に手間がかからず、いつも床を清潔な状態にしておくことができ、ダニの発生原因の1つである栄養源(食べカス、フケ、アカ)を除去し、ダニが発生しにくい状態を保つことができます。
それではデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
まずはじめに、一般的なフローリングは調湿機能がありません。日本は高温多湿な気候なので、湿気が多い時には湿気を取り込み、空気が乾いてくると湿気を放出する機能が必要です。
また、水をこぼして長時間放っておくと水が浸透し、膨張したり変色してしまいます。湿気の多い建物はフローリングにはよくありません。
そして畳と比べると踏み心地が硬くて足が疲れやすく、特に冬のフローリングは冷たいので、冷え性の方はスリッパなどがないと過ごせないというデメリットがあります。
 
 

畳のメリット・デメリット

 
 
畳のメリットとしてはフローリングにはない調湿機能があることです。空気中に水分が多いと畳自体が除湿をし、乾いた時には水分を放出。さらに空気を浄化する機能もあり、まさに天然の除湿加湿付き空気清浄機といったところでしょうか。
次にあげれば、畳は音と衝撃を吸収するクッションの役割も果たしています。走り回ってもフローリングより静かなのはそのせいです。また、小さなお子様やご年配の方がひっくり返ったり転んだりしても、クッション性のある畳なら怪我を軽減できます。
最後に畳の素材であるイ草には森林浴効果があり、リラックス効果が高いです。
そしてあまり知られてはいませんが、イ草は古来薬草とみなされていました。足の臭いの原因となる微生物群の増殖を抑える抗菌作用が高く、もちろん微生物全てに抗菌効果がある訳ではないですが、大腸菌O157を代表とする食中毒菌や腐敗細菌には高い抗菌作用が実証されています。
こんなにも素晴らしい機能が備わっている畳にデメリットなんてあるのでしょうか?実は自然素材ならではの弱点がありました。次は畳のデメリットについて話していきたいと思います。
どんなに優れた機能を持つ畳も、永久に続く訳ではありません。年月と共に機能は失われるので、定期的なメンテナンスが必要です。
また、湿気が多いと畳が吸収し、飽和状態になるとカビが発生します。特に梅雨時期の洗濯物の室内干しは厳禁です。
ダニについても同じ事が言えます。ダニは温度、湿度、栄養(食べカス、フケ、アカ)が原因です。こまめな掃除と、天気の良い日には積極的に窓を開けて換気をしなければなりません。
また、湿気の多い雨の日は窓を閉め、梅雨時期はエアコンのドライ機能をうまく使う事で、ダニの発生を防ぐ事ができます。
最後に、畳に飲み物をこぼしてしまうとフローリングよりもシミになりやすいので、拭くときは伸ばして拭かずに、叩くような感じで拭いて下さい。
また、重い家具を同じ場所に長時間置いておくと、跡がついてしまうので、足の付いた家具は特にあて木をするなどの工夫で防ぐ事ができます。
 
 

いくらかかる?畳とフローリングの維持費

 
 
畳は自然素材の機能を最大限活かすために、定期的なメンテナンスが必要なことはお伝えしてきました。メンテナンスには裏返し、表替え、新畳があり、表面となるゴザ状の畳表(たたみおもて)、芯材となる板状の畳床(たたみどこ)、畳表の両端に布状に付いている畳縁(たたみべり)の3つから構成されています。
畳の劣化に伴い必要となってくる維持費や方法を紹介します。
裏返しは古くなった畳表と畳縁を一旦畳床から切り離します。畳表は両面使う事ができるので、傷んでいない方を表面になるようにひっくり返し、畳床に縫い付けます。この時に畳縁も新しくなります。料金相場は1畳4000円〜6000円で3年〜5年がメンテナンスの目安になります。
表替えとは、裏返しと工程はほぼ同じですが、古い畳表は処分して、新しい畳表を畳床に縫い付けていきます。畳表は国産、外国産があり、値段もピンキリですが、料金相場は1畳7000円〜30000円で、5年〜10年がメンテナンスの目安になります。
新畳とは、畳床、畳表、畳縁全てが新しくなります。大きな隙間ができてきたり、歩いた感じがデコボコフカフカしてきたら新畳の時期にきています。料金相場は1畳15000円〜50000円で、20年〜30年がメンテナンスの目安になります。また、新畳の場合は今まで使っていた畳の処分も必要になってきます。料金相場は1畳2000円〜3000円となります。
それではフローリングの維持費はどうでしょうか?
フローリングは畳と違って定期的に張り替える必要はありません。日頃のお手入れはゴミやホコリを取り除き、乾いたモップや雑巾での乾拭きで十分です。汚れがひどい場合は乾拭きでゴミやホコリを取り除いた後、固く絞った雑巾で拭き取りましょう。市販の高温スチーム洗浄機は水に弱いフローリングにはNGです。
また、半年毎にワックスをかけると美しさが長持ちすると言われています。ただし、ワックス不要のフローリングもありますので、十分に注意して下さい。ホームセンターに行くと2000円〜3000円ぐらいで売っています。
このように良い事ずくめのフローリングですが、万が一張り替えるとなると、床面積が広いだけに畳替えのように簡単ではなく、費用と時間がかかってしまうことがあります。
 
 

日本だけが独自の進化をしていった!床材畳と板の間の歴史

 
 
畳は昔から今のように普及してはいませんでした。漢字や食文化のように外国から伝わった物のように思われがちですが、日本固有の敷物です。この歴史は縄文時代まで遡ります。それではあなたと1400年前までタイムスリップ!
縄文時代の遺構からムシロらしきものが発見されています。これが畳の原型となった可能性があります。
平安時代の貴族の邸宅は板の間でしたが、座ったり寝たりする所に畳が置かれるようになりました。今でいうフローリングに置き畳といったところでしょうか?当時は天皇や貴族しか使われておらず、畳縁の柄や、畳の大きさで階級を表していました。
室町時代になると部屋全体に畳が敷き詰められ、当時に正座も始まったとされています。畳と正座。椅子の文化が根付かなかったのはこの2つが関係しているかもしれません。
安土桃山時代から江戸時代にかけて、茶道の隆盛によって少しずつではありますが一般に広がり、江戸中期以降に畳は一般の物となりました。
 
 

まとめ

 
 
東京のベットタウンとして発展してきた所沢も、生活様式が変わってきましたが、畳とフローリング両方ともメリットとデメリットがあることがわかりました。

フローリングのメリット
・摩擦に強く、耐用年数が長い
・掃除がしやすい

フローリングのデメリット
・調湿機能がない
・踏んだ時に固く、足が疲れやすい

畳のメリット
・調湿機能がある
・音や衝撃を吸収してくれる
・森林浴と同じ効果がある
・足の臭いの原因となる微生物群の増殖を抑える抗菌作用がある

畳のデメリット
・カビ・ダニが発生しやすい
・飲み物などをこぼした場合シミになりやすい
・重い家具を置くと跡がついてしまう

このようなお話をさせていただきました。
ご参考になれば幸いです。