熊本県が畳の生産量でダントツなのにシェアを取れない訳とは?今後の推移とランキングのすべて

畳替えをしたときに国産で注文したけど、畳の生産量で一番多い産地はどこだと思いますか?なんとなく熊本県だと耳にしたことがあると思いますが、はたして本当のところはどうなのでしょうか。

そこで今回は畳の生産量の推移とランキングについてまとめてみました。

外国産が台頭し始めたことで畳の生産量が激減!!推移からみる国産の未来

畳の表面を覆っている畳表(タタミオモテ)は1961年に輸入が自由化されました。外国産の畳表の輸入量は1991年頃から増加し始め、1994年にピークに達した後いったんは減少しましたが、1998年から再び増加に転じています。

昔の外国産の畳表は熊本県の品質と比べ物にならないぐらい劣悪でしたが、日本の企業が生産、品質の向上に関わってきたことから普及品クラスでは熊本県をしのぐほどの製品も誕生してきました。

それにともない一般住宅用として普及が進み、年間消費量の8割近くを占めるようになってきています。現在の栽培地は寧波・上海・蘇州・四川などですが、中国の経済発展とともにコスト高になりつつあり、従来のような安さをメインにしたものからの転換がはかられています。

畳の生産量ランキングで不動の地位を確立!本家本元の巻き返しなるか!?

昔は畳といえば広島県の備後表(ビンゴオモテ)と相場が決まっていましたが、後継者不足や高齢化にともない年々減少してきて、今ではわずかな生産量となってしまいました。

また、岡山県も畳の生産量では有名でしたが、最後のイ草農家さんが廃業したことにより今では生産されていない模様です。

この広島県や岡山県に変わって台頭してきたのが熊本県でした。熊本県の土壌は畳のイ草にとても適したもので気候風土とも相まって最高のイ草が栽培されています。

現在では熊本県が国産の9割以上の生産量を誇り、残りを福岡県・広島県・高知県・石川県などで分け合っている状態です。

畳の生産量では外国産に分があるのに熊本県の畳が愛される理由とは

熊本県の畳に比べるとかなり安く仕入れられる外国産は、畳店にとって扱いやすい商品です。しかし、畳の原料であるイ草は田んぼで育てられるので、水と土壌管理が徹底的に行われなければなりません。

土壌等の違いが質の違いに大きな影響を与え、のちの暮らしに差として現れてきます。熊本県は着色剤の使用を禁止しているので色調がそろっていて、厚く織り込んでいるためにキレイで丈夫です。標準品から特選品まで幅広いラインナップがあり、他県との差別化としてブランド化した畳に注目が集められています。

まとめ

畳替えで国産を頼むことはイコール熊本県の畳を選ぶことになります。どうしても他県産の畳が必要な場合は取り寄せに時間がかかるので、早めに畳店にご相談ください。

国産の香りや風合いをお楽しみいただければ幸いです。