はじめて畳を表替えをしたら一年たたずに表面が日焼けしたのはい草が原因?紫外線による色の変化とは

 

日差しが強い夏など外に出るときは日焼け止めクリームや日傘などを使いますが、家での生活ではどうしても疎かになりがちです。

新しく畳を表替えすると、青々した色に思わず深呼吸してリラックスしたくなります。でも表面が色違いに見えたり、少し経つと日焼けのせいで色が変わってしまってビックリしたこともあると思います。

一般的に畳に使われている素材は天然のい草ですが、何かい草に問題でもあるのでしょうか?そこで今回は畳の色と紫外線についてまとめてみました。

表替えした畳がすでに日焼けしている色違いの正体とは!?

畳を表替えして喜んでいるのも束の間、冷静に畳を見てみると何枚か色が違って見える畳があることに気づいて「もしかしたら日焼けしている畳を混ぜられた」もしくは「中古品が使われた」と嘆いてらっしゃる方もいるかと思います。

でもご安心ください。これって単純に畳の向きが違うことで起きることなんです。畳の向きが違うということは畳の目も90度違ってきます。そこに差し込む光の反射が変わり色違いに見えているわけです。

今流行りのヘリなし畳もこの特性を利用しています。同じ畳を使っているにも関わらず色違いに見えるのは丈と幅を互い違いに入れて目の向きを変えているからです。

ですので6畳や4.5畳のお部屋には必ず向きが違う畳があるので、畳の色が違って見えてしまうのは畳の目の違いと光のせいということになります。

四季がある日本だから楽しめる色がある!?い草が変化する畳の謎

青々した畳をみるとずっとこの色が続けばいいのにと思われた方も多いでしょう。しかし畳の素材であるい草は植物と同じですので葉緑素(クロロフィル)を含んでいて、この葉緑素が緑色をしているので植物もい草も青々しています。

い草は日にあたったり酸性化するとマグネシウムが脱落して水素原子と入れ替わり、化学反応によってクロロフィルはフェオフィチンに変化します。このフェオフィチンが褐色なので色が変わる原因の一つとなります。

また、クロロフィルと一緒に黄色系のカロテノイドも含んでいますが、クロロフィルがあるうちはクロロフィルの緑色には負けて見えませんが、色々な要素でクロロフィルが分解されるとこの黄色いカロテノイドが表面に出てくるわけで、畳の日焼けのメカニズムとなります。

畳はどうしても日焼けをしてしまいますが、新しい時の緑色から少し落ち着いた白やクリーム色になり、黄色や薄茶、褐色に至るまで時間と共に過ぎゆく季節を感じながらお楽しみいただければ幸いです。

畳の色の変化は紫外線が原因?部屋に入り込む侵入口とは

畳の色が変化する原因は紫外線による日焼けで、畳以外にも影響を与える目に見えない劣化光線とも呼ばれています。この紫外線が室内に入り込む通り道はほとんどが開口部で、つまり窓から入ってきます。

窓から入ってくる紫外線は、分厚い大気の層を通り抜けてくるパワフルな太陽光線の一種で、室内に降り注ぐと壁やフローリング、畳や家具、そして空気中の水分子などに当たって反射と散乱を繰り返して部屋の隅々まで広がります。

対策としては100%防ぐことはできないまでもUV機能のカーテンや障子、または窓ガラスに貼り付けるUVカットフィルムが有効となります。

悪影響ばかり注目されがちな紫外線ですが実はビタミンD を生成する効果や殺菌作用もあります。メリットとデメリットがある紫外線ですが、上手に付き合っていければいいですね。

まとめ

畳は天然素材のい草を使っているために色は年数と共に変化してしまいますが、その時々に見せてくれる色合いや風合いは他の床材では感じられないものです。

紫外線のメリットとデメリットを理解した上で日焼けしていく畳をみるのもいいかもしれません。